Pediatric orthodontics flow
子どもの矯正治療の流れ
各段階の詳しい内容
01カウンセリング

カウンセリングでは、現在のお悩みをしっかりとお伺いし、簡単な口腔内のスキャニングと治療の流れや費用についてご説明を行います。
受け口(上顎の歯より下顎の歯が前に出ている)など、噛み合わせや歯並びでお悩みのお子さんはもちろん、一見問題がないように見える11歳頃までのお子さんにも診断をおすすめします。顎のバランスによっては、将来的に永久歯が正しい位置に生えにくくなることもあるため、早めのチェックが大切です。まずはお気軽にご相談ください。
大きな方針についてはカウンセリングでお伝えしております。患者さん一人ひとりにより適した矯正治療プランをご提案し、ご納得いただいた上で治療を進めてまいります。
02精密検査

当院では検査の時点で矯正治療についての同意書をいただき、自費診療を行うことにご了承をいただいております。
詳しい治療方針を決めるために、現在の歯並びや顎の骨の状態を詳細に確認します。検査結果を踏まえて再度カウンセリングをご希望される方は、遠慮なくお申し出ください。
具体的な検査内容としては、口腔内診査、顔や口の中の写真撮影、各種レントゲン撮影、印象採得(歯型の採取)などです。
03診断・治療計画の決定

ご希望がございましたら再度日程を調整し、精密検査の結果をもとに、治療内容・期間・費用など、今後の方針について詳しくご説明いたします。基本的には初回のカウンセリング時に費用や期間などは大まかにお伝えしております。初回のカウンセリングと異なる治療となりうる場合以外は、再度のご説明は行っておりません。
小児歯科では、治療を始めるタイミングがとても重要です。そのため、検査結果によっては、すぐに治療を開始せず、経過観察とさせていただく場合もあります。
04乳歯列期の矯正(咬合誘導)
乳歯列期の咬合誘導とは、将来の正しい歯並びや噛み合わせを促すために行う治療です。この時期の顎の成長や歯の生え変わりを考慮し、適切なタイミングで介入することで、不正咬合を予防し、永久歯が正しい位置に生えやすくなります。

咬合誘導について
指しゃぶりや舌のクセ、口呼吸などの習慣を改善するためのトレーニング指導を行い、顎の成長や歯の生え変わりの進行を考慮しながら定期的に経過を観察します。
さらに、歯並びや噛み合わせの乱れが見られる場合には、マウスピース型装置や取り外し可能な矯正装置を使用し、適切な位置へ誘導することで、永久歯が正しく並ぶようサポートします。
05経過観察

咬合誘導が終了した後、第一期治療までの期間は、歯列や噛み合わせの安定性を確認するための重要な経過観察期間です。この間に、乳歯の自然な交換や歯列の成長を見守り、異常があれば早期に対応します。
また、顎の発育や噛み合わせの変化に注視し、第1期治療を開始する適切なタイミングを判断します。定期的なチェックにより、今後の治療計画をより効果的に進めることができます。
061期治療

永久歯の前歯2本と6歳臼歯が生えてくる時期に行う治療です。目安は8〜9歳頃に行います。
基本的に永久歯を抜かず、必要に応じて、稀ですが乳歯を抜歯することがあります。骨がまだ柔らかいこの時期に矯正装置をつけて、上下の顎のバランスを整えます。
メリットとして2期治療で抜歯矯正を回避できたり、外科介入を避けることができる可能性があります。また、口呼吸や舌癖などの悪習癖を改善できる可能性があります。早期に見た目が改善することでコンプレックスを軽減し、自己肯定感の向上につながることもあります。
デメリットは1期治療後に2期治療(永久歯の矯正)が必要となることも多く、治療期間が長くなることがあります。また、お子さんが協力的でないと、望まれる治療結果が得られない可能性があります。
通院は、1ヶ月に1回程度のペースで、クリーニングや調整を行います。また、矯正装置をつけたままできるだけしっかり歯磨きができるよう、歯磨き指導も行います。
07保定~再評価

目的である大人の歯が生えるスペースを確保できたり、前歯がきれいに揃ったり、噛み合わせが安定したら、1期治療は終了です。治療で動かした歯は戻ろうとするため、機能的矯正装置や保定装置を使って歯の位置を維持します。その後、定期的に通院し、治療後の検査で歯が後戻りしていないかを確認します。第1期治療が終わった後は、永久歯が全て生え揃った時点で再度検査・評価を行い、必要に応じて第2期治療(永久歯の矯正)に進みます。
1期治療後に永久歯が問題なく萌出して歯並びにご満足いただけた場合は1期治療のみで終了となり、保定へ移ります。
1期治療終了後2年間は、後戻りが特に大きいと言われております。
082期治療

永久歯がすべて生え揃った12歳(目安)以降、成人も含めた時期を対象としています。この時期は、成長がほぼ完了しているため、予期しない変化はなく、最終的に整った歯並びや噛み合わせを作り上げる段階です。
第1期治療と同様に、約1ヶ月に1回のペースで、クリーニングや調整を行います。
09保定~治療終了

矯正装置を外した後は、歯が元に戻らないように保定装置を装着し、保定期間(メンテナンス期間)に進みます。この期間中は、2〜6ヵ月ごとに来院していただき、歯並びや噛み合わせの状態を確認します。
矯正治療終了後2年間は、後戻りが特に大きいと言われております。
※歯の移動を大きく行った矯正や抜歯矯正後の患者さんは、半永久的に夜間の保定装置装着が推奨されることがあります。また、口腔の習慣や頬杖等の外力が加わると後戻りの原因になります。