母乳とダイオキシン

 マスコミで日本の母親の母乳に含まれるダイオキシンの量がヨーロッパの基準に比べ10〜200倍も高いと報じられ、母乳を敬遠する母親さえみられるますが、それは正しいことでしょうか?
 講談社から出された「しのびよるダイオキシン」(長山 淳哉著)という本ではこう言ってます。
 「地方新聞の記事では、母乳汚染の問題から短絡的に話が進んで、赤ちゃんには母乳と人工乳のどちらを飲ませるのが良いかということを問題にしていました。 しかし、本当に問題にすべきことは、母乳か人工乳かということではなくて、ダイオキシンの環境汚染なのです。」
 更に人工乳の選択に対して
 「私はこれはとんでもない考え違いだと思います。 なぜかといえば、私たち人類は哺乳動物だからです。 自分の子どもに自分のお乳ではなく、牛のお乳を与えなくてはならないような状況になって、地球上に長く生存できるでしょうか。」

 母乳育児によってのメリットと母乳汚染のデメリットを比較した時、母乳育児による精神的な影響や免疫、運動発達の肉体的な影響のメリットの方がはるかに大きいと思われます
「環境庁ダイオキシンリスク評価検討会」中間報告書では次のように報告されてます。
1.要旨
 我が国においては、乳児に与える母乳中に一定程度のダイオキシンが含まれているものの、その効果及び安全性の観点から今後とも母乳栄養を進めて行くべきである。
2.母乳栄養を進める理由
(1)母乳中のダイオキシン類の摂取が、乳児に与える影響は直ちに問題となる程度ではない。
・「TDI(耐容1日摂取量)は、生涯にわたって摂取する場合に問題となる値であり、短期間の授乳についてそのままTDIを用いて安全度を検討することはできない」
・「体内負荷量の観点からも、母乳中に含まれるダイオキシン類が人体に及ぼす影響は、直に問題となる程度ではない」
(2)母乳が乳児の発育、感染防止、栄養補給に与える効果が大きい。
(3)我が国よりも母乳中のダイオキシン含有が多い諸外国においても母乳栄養を規制していないこと。
3.今後の対応
(1)発生源対策:母乳中の安全性を確保していくため発生源等について適切な施策を講ずる。
(2)モニタリングの実施:検査定点を設け、食品及び母乳中などに含まれるダイオキシン類の濃度を継続的にモニタリングする。
(3)研究の推進:ダイオキシン類の環境における分布の状況や、迅速かつ簡便な検査法の確立など関連機関において研究を推進する。
(4)情報の収集の継続:ダイオキシン類に関する国内外の疫学的データや諸外国の取り組み状況などを収集し、今後の適切な施策の推進に努める。
厚生省児童家庭局母子保健課、’96、12



 私たちに必要なのは、次の3つだと思います。
1.ダイオキシンのもとを出さない。
 塩素を含むものを燃えるゴミとして出さない、きちんと分別して出す。(そのための最低限の知識を持つ)
2.ダイオキシンを作らせない。
 塩素と炭素を比較的低温で燃焼すると簡単にダイオキシンは生成してしまいます。 ゴミ焼却場をヨーロッパのように大規模で24時間燃焼可能なものに作り替えなくてはいけませんので地方自治体をまたがった規模に、つまりは国がゴミ問題を本格的に取り組まなければいけないということです。 それには政治を変えなくてはいけないので私たちが政治に関心を持つことが必要になって来ます。
3.ダイオキシンを摂らない。
 母乳中にダイオキシンを出さないためにはダイオキシンを摂らない方がベターでしょう。 そのために、ダイオキシンに汚染されている野菜のや果実の表面(皮)は剥く、比較的濃度の高い脂肪をとるのを控えるなどの注意をすればある程度ダイオキシンの汚染から守れます。

 他の環境ホルモンの問題と一緒にこのダイオキシン問題を考えて行きたいと思います。


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